中古マンションの価格はどの様に決まるのでしょうか?中古マンションの様な不動産は個別性が高いので、電化製品やブランド品みたいに簡単に価格相場を把握するのは難しいです。
中古マンションの100%の状態の価格を把握しましょう。(汚れなく、設備も新しい状態ならいくら?)
分かりやすく言えば同じマンションでも50階と2階では価格が変わりますし、角部屋と中部屋でも価格が変わりますよね。
こんな単純な例だと分かりやすいですが、中古マンションはもっと分かりにくい個別性があります。
よく見かけるのが、フルリノベーション物件の価格で現況のまま売却しようとしている方がいます。
聞けば「同じ中古マンションでこの位で売りに出ていた!」との事ですが、そのお部屋はリノベ済みの部屋で条件が全く違いました。これでは売れません。
その中古マンションが商品としてお客様に受け入れられる状態。つまり100%の状態の価格をまず考えましょう。
例えば築2年の未だに使用感の無いお部屋でしたら、その状態で買った方がそのまま住めるので100%の状態。
逆に築30年で経年劣化して壁紙さえも汚れているお部屋でしたら、フルリフォームした状態が100%になります。よって現状のままでのその部屋の実力は60%~80%という事になります。
専門家でなくてもわかる、中古マンションに大きく影響する要素は
①部屋の劣化状況
②階層
③角部屋等部屋条件
④嫌悪施設の有無
の4つを検証しておけば概ねその中古マンションのお部屋の相場を正確に把握できます。
中古マンションの最大の価格決定要素「部屋の劣化状況」の価格への影響
確かにリフォームした中古マンションと劣化したままの中古マンションの価格を比較しても意味がないですね。
リフォームを自分ですると数百万円かかってしまうので、そのまま売却したいのですが、部屋の劣化状況をどの位価格に反映させればいいのですか?
〇築2年の中古マンションの場合
物件価格 3,000万円
リフォーム代 0円
合計 3,000万円で100%快適な家を取得できます。
〇築30年の中古マンションの場合
物件価格 2,350万円
リフォーム代 650万円
合計 3,000万円で100%快適な家を取得できます。
築年数の浅いマンションはリフォームなど手を入れる必要が無いのでまるまる物件に3,000万円、リフォームが必要な場合は650万円引いた2,350万円で物件をさがすことになります。
これで3,000万円で100%の状態の中古マンションに住めることになります。
つまりお部屋を100%の状態にする費用を差し引いた価格が現状のまま売却する価格の相場になるという事です。
確かにリフォームが必要でそれに650万円かかるお部屋を同じ価格で買ってくれる人なんていませんね。
よって現状のままですと2400万円が一応物件の価値という事になりますね。2400万÷3000万で物件の今の状況が80%ということになります。
更に見た目があまりきれいではないので購入検討者もときめかないですし、見積もり前のリフォーム代金を多めに考える傾向にあります。
よってリフォームなどの手を入れなければならない物件の実際の価格はピカピカの完全な状態の価格の70%位になるのが一般的です。
例に挙げた事例ですとピカピカの状態で3,000万円ですから、現状のまま手を入れないで売却する場合は、70%で2100万円位が相場価格になります。
現況で手を入れないマンション(ピカピカの状態の70%が相場になる)
巷では買取だと安くなるという噂ですが実は違います。買取の場合は様々なメリットがあり、直接取引でかかるコストが減るのでメリットに比して手取り金額に大きな差はありません。
えっ!買取って損じゃないの?間違って認識していました。
買取はプロの不動産業者へ売却する事ですが、大きく2点でコストダウンが図れるのです。
リフォーム代は個人で行うよりも相当安く650万円のリフォームなら450万円位で出来ます。(年間100件位発注しているので)
更に直接買取なら仲介手数料がかかりません。先ほどの例で行くと76万円の手数料が無料です。これらが買取金額に上乗せされます。
リフォームして3,000万円で売却出来る物件の現状での買取金額は2,100万円位なので、仲介で個人のお客様に売却するのと価格は変わりません。
現状のまま簡単に売却出来ない、リフォームが必要な物件に関しては価格の差はありません。
きれいな物件は買取ですとリフォーム代等不動産会社がコストダウンできる要素が無いので安くなってしまいます。
更に売主の手取で考えると、買取の方がメリットがありますね。
2,100万円で売却しても売主にも仲介手数料76万円がかかるので手取りは2,025万円になりますが、買取ですと仲介手数料がかからないので2100万円まるまる手取りになるのでお得です。
階層や部屋位置も中古マンション価格に影響します。
50階のマンションの最上階と同じマンションの2階では価格が違いますよね。1階と2階でも価格は変わります。
これは周辺の中古マンションで条件の似たお部屋を比較すれば分かります。間違っても同じマンションだからと言って30階と3階を比較しないようにしてください。
お部屋の条件は中古マンションの変えられない部分なので重要ですが、価格にはそれほど影響しないのが現実です。
しかしながら売りやすさという点では大きなアドバンテージがあります。以下に挙げた様なポイントがありますが、ここに着目しすぎて価格を上げすぎると売れ残りになりますので注意が必要です。
少し高め位の価格設定にしておきましょう。
〇角部屋(風通し、陽当たりがよくなる)
〇廊下に面した居室が無い(寝室の換気可)
〇下の階に部屋が無い(足音ストレスなし)
〇眺望
〇向かえから部屋が見える窓がない
中古マンション価格に影響する嫌悪施設。長く住むから影響は大きい。
〇お墓やお寺
〇高速道路
〇消防署
〇刑務所
〇ごみ処理場
この様な施設に隣接している中古マンションはやはり価格は伸びません。価格を把握する場合はエリアが変わっても良いので同じような中古マンションが周辺に比べて嫌悪施設によってどの位価格が下がっているのか調べる様にしましょう。
まとめ
中古マンション価格は「①部屋の劣化状況」、「②階層」、「③角部屋等部屋条件」、「④嫌悪施設の有無」を検討すれば専門家ではなくても相場を把握できます。②、③、④は直感的に何となくわかりますが、①の部屋の状態についてはひいき目に見てしまったりするので注意が必要です。
中古マンションは価格を間違えて販売するといつまでも売れない売れ残り物件になってしまいます。
適正価格を把握して中古マンションの売却を是非成功させてください。