そろそろマンション購入を考え始めたけれど、貯金なし、頭金なしの状態。そんな状況でマンション購入が出来るのか?やっぱり貯金を今から始めて頑張るしかないのか?マンション購入の資金が無い状態でのマンション購入について解説したいと思います。
「頭金なし」が「貯金なし」の状態だとマンション購入はかなり厳しい!
皆さんの頭金なしの状態は預金が全くない状態でしょうか?マンション購入には大きく「物件価格」と「マンション購入諸経費」を支払う事になります。頭金とは2つのうちの「物件価格」に充当するお金を指し、購入諸経費とは別の意味でつかわれています。
マンション購入には概ね物件価格の5%~6%程度の購入諸経費がかかります。従って3000万円のマンション購入を考えた場合、3,000万円×5%=150万円の諸経費がかかります。この諸経費は必ずかかりますので、150万円以上の貯金がある人はその分をマンション購入の頭金に使うことが出来ます。(例えば200万円の貯金があれば200万円-150万円=50万円を頭金に使用できる)
この例の諸費用150万円の貯金はマンション購入で必要ですので、貯金150万円の人は頭金なしでマンション購入をする事になります。これは住宅ローンが物件価格の全額借入可能な今ですとマンション購入は十分に可能です。
逆に貯金が150万円以上ない人はマンション購入の諸費用が支払えませんので、購入は非常に厳しいと言えます。諸費用ローンという諸費用まで借入る商品もありますが、金利が高く、借入期間も短いので月々の返済が大変になります。従って諸費用ローンの利用はマンション購入後の生活が苦しくなるのでおススメしません。
貯金額 | マンション購入 | 頭金 | 不足貯金 |
なし | 厳しい | ― | 150万円 |
100万円 | 厳しい | ― | 50万円 |
150万円 | 可能 | なし | ゼロ円 |
200万円 | 可能 | 50万可能 | ゼロ円 |
この様に「頭金なし」の意味が「貯金なし」や「貯金少なめ」ですとマンション購入はかなり厳しいですが、「頭金なし」の意味が「諸費用分はあるが、物件価格に充当する程はない」であればマンション購入は可能という事になります。
頭金なしが「貯金なし」や「貯金少なめ」の時はどうすればよいのか?
「頭金なし」の意味が「貯金なし」や「貯金少なめ」の状態ですと、今すぐに自分の資力で何とかする事は出来ませんが、マンション購入に向けていくつか方法はあります。
両親など親族から資金援助をうける。
マンション購入の際に両親から資金援助を受ける事は一般的で、私も何十人とその様なお客様を見てきています。ただ援助が受けられない方の方が大半ですのでうらやましい気持ちで拝見をしておりました。
3,000万円のマンション購入を例にすると、必要最低限の購入資金は諸経費分の150万円でした。こちらを両親が支払ってくれるならばマンション購入が可能になります。更に資金を拠出してくれるのであれば頭金なしの状態から頭金を入れる事が出来、その分の住宅ローンの借入額も減らせ月々の支払いの負担も減ります。
国も制度として両親からの住宅購入資金の贈与を進めていて税制において優遇措置を設けております。この制度は両親のもならず祖父母からの資金提供でも優遇措置が受けられます。両親や祖父母を説得する材料として覚えておいてください。
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」という優遇措置で父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅取得等資金を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる制度です。詳細は国税庁のHPをご参照ください。
マンション購入などマイホーム取得のタイミングは大きな税制優遇があり資金に余裕のある両親や祖父母がいる場合は、大きな節税のチャンスでもありますので、積極的に相談してみて下さい。
諸費用分の資金を貯める(最低限の額でOK)
そもそもマンション購入にかかる諸費用分(3000万円のマンション購入であれば150万円)はなければマンション購入自体が出来ないので、他に資金のあてが無ければ自分で貯金するしかありません。
購入マンションの5%~6%の諸経費がかかりますので、購入目標となるマンションの価格帯が定まればいくら貯金すればよいのか分かります。そこからいつまでに絶対にマンションを購入するのかを決めれば後は月数で割り算をして月々の貯金額を決めればよいのです。
3000万円のマンション購入の例で言えば、3年以内に絶対マンションを購入するとすれば150万円÷36ヶ月=41,600円月々貯金すればよいのです。
この諸経費を貯める為の貯金が厳しいからと言って、今からマンション購入資金の貯金を始めなければ今後もマンション購入は出来ません。ほっておいてもお金はたまりませんので是非3年後の新たなマイホームを夢見て行動してください。皆さまその様にしてマンションを購入しています。
但し、貯金のしすぎは逆にマイナスになりますの注意してください。
今現実に貯金がない人が貯める金額は諸費用分だけで十分です。住宅ローンの借入額を減らす為、見栄等の為にお金を貯めすぎないようにしてください。
新たなマイホーム購入前は今住んでいる家の賃料というコストがかかっていますので、貯金する期間が延びればそれだけ損することなります。
仮に家賃10万円の借家に住んでいたら3年間で360万円の賃料というコストがかかります。貯金する為の期間を延ばす為につき10万円のコストは割に合いません。
イメージ的には「今住んでいる家の賃料」と「将来住む家の購入代金の一部」を月々支払う異なるので家2つ分の支払いをする事になります。
従って最低必要資金のマンション購入諸経費が貯まった時点で直ぐにマンション購入に進むのがベストです。物件価格全額の住宅ローンは借り入れる事が出来るのでそれでマンション購入可能です。
禁じ手!諸費用ローンについても知っておいてください。
諸費用ローンという手段もあるので一応紹介します。三菱UFJ銀行の住宅諸費用ローンの金利は現在4.475%(店頭金利)です。住宅ローンよりも2%も金利が高いのです。更に借入期間も最長35年とありますが、制限され短縮される事が多いです。
3000万円のマンション購入を例にすると諸経費150万円。これを期間15年、金利4%で諸費用ローンを借り入れた場合、月々の返済額は11,095円になります。この月々の支払いを35年の住宅ローンに置き換えて、物件価格に直すと概ね400万円分に相当します。つまり400万円高い物件を購入するのと同じ月々の負担になります。
折角マンション購入して夢のマイホームを手に入れても月々の返済に追われるのはつらいのでおススメしませんが、頭金なし、預金なしの状態で今マンション購入がしたくて、物件価格を400万円下げて月々の支払額を調整してマンション購入するという手段もありますので、ここまでは許容範囲かもしれません。
頭金なしでもOKだが、貯金なしはNG
これまで見てきたようにマンション購入には最低購入諸経費分の貯金が必要です。マンション購入が具体的になれば契約時に手付金や印紙代、仲介手数料、登記費用などがかかります。手元に貯金が無いと話が前に進んでいかないので、まずは諸経費分に相当する貯金をつくってマンション購入に向かってください。
不動産購入諸経費についてはコチラの記事をご参照ください。