不動産投資を始める為の初期費用はいくらかかるのでしょうか?そもそもこの金額が分からないと不動産投資について、投資対象と考える事も出来ないでしょう。
不動産投資に係る初期費用の項目はほぼ決まっています。よって不測の出費などはあまり想定しなくても大丈夫です。この記事に記載された項目で不動産投資の初期費用は網羅されています。
初期費用は「所得経費」と「物件価格の一部」に分けられます。
初期費用(最初に必要な現金)は物件価格とは別の仲介手数料などの所得経費と物件価格の内ローンでまかなわない部分を支払う物件の自己資金部分に分けられます。
- 所得経費(仲介料など)
- 自己資金部分=「物件価格」-「ローン金額」
所得経費は11項目!これで全てです。
- 不動産購入仲介手数料
- 印紙代
- 登録免許税
- 司法書士手数料
- 不動産取得税
- 固定資産税等清算金
- 火災保険料
- 不動産投資ローン事務手数料
- 不動産投資ローン保証料(あれば)
- 緊急修繕費(もしあれば)
- 賃貸募集手数料など(空室の場合)
①不動産購入仲介手数料・・最も大きい初期費用
不動産を購入する時に仲介会社に物件を紹介してもらい、そのまま所得するに至った場合に仲介会社に払う手数料です。価格が400万円以下の不動産を購入する場合は複雑な計算がありますが、400万円以上の物件は下記式で計算します。
又、不動産業者ば売主で自社で販売を行っていたりする場合は、売主と直の取引になりますので、仲介会社が取引に介在しません。
この場合は仲介手数料はかかりません。
不動産業者と直に取引できる良い物件があれば確かにお得ですが、広く物件を探すには仲介会社を利用した方がいいでしょう。この仲介料は初期費用の中で大きなウェイトを占めます。
②印紙・・不動産売買契約書・ローン契約書に貼付する
不動産売買契約書及びローン契約書には印紙を貼付する必要があります。それは取引金額の税抜き価格で以下の様に定められています。
物件価格・ローン金額 | 不動産売買契約書 | 金銭消費貸借契約書 |
500万円 | 1,000円 | 1,000円 |
500万円~1,000万円 | 5,000円 | 10,000円 |
1,000万円~5,000万円 | 10,000円 | 20,000円 |
5,000万円~1億円 | 30,000円 | 60,000円 |
1億円~5億円 | 60,000円 | 100,000円 |
2020年7月現在。詳細は国税庁HPをご確認ください。
売買契約書については、保管する契約書が買主が原本、売主がコピーで処理する場合があり、その場合この印紙代を折半する事もあります。初期費用としては少額の部類に入ります。
③登録免許税・・登記簿に所有者として公示する為の税金
物件を取得したことを登記簿に公示する為に支払う税金です。又借入がある場合は抵当権設定の登記もしなければ借入が出来ません。
よって通常は2本の登記が必要になります。関わる登記の登録免許税は売買価格ではなく、その不動産の評価額で決まります。これは役所から評価証明書を所得しないと分からない数字ですので仲介会社や売主から「評価証明書」をもらってください。初期費用の中では仲介料と共に大きな経費になります。
内容 | 課税標準 | 税率 |
所有権移転 | 不動産評価額 | 0.15% |
抵当権設定 | 借入金額 | 0.4% |
④司法書士手数料・・登記する為の手数料
物件を取得したことを登記簿に公示する為登記申請を行いますが、この作業を専門家「司法書士」に委託するのでその手数料です。
1登記につき手数料は3万円~5万円位かかります。自分でも出来るのですが取引の安全性が高まりますし、金融機関から指定される場合もありますので、初期費用として支払う方向で考えておいた方がいいです。
⑤不動産取得税・・不動産を買った時1度だけかかる税金
不動産の評価額に3%をかけて算出しますが、住宅の場合は土地の課税標準が二分の一になったり様々な軽減措置があります。
特に住宅に関しては、以下の条件を満たすと築年数に応じて大きな軽減措置が受けられます。
・取得者の居住用、またはセカンドハウス用の住宅
・1982月1月1日以降に建築されたもの、または新耐震基準に適合していることが証明されたもの
又、取得日でなく取得から3ヶ月程度後に請求の来る初期費用なので忘れがちですが、必ず支払わなければならないので初期費用としてきっちり収支の中に盛り込んで下さい。
⑥固定資産税等清算金・・初期の清算で一括払いなので念のため初期費用として考えましょう
固定資産税等は物件取得日を境に負担者が売主から買主に変わりますが、売主がまとめて固定資産税等を1年分支払います。この清算を不動産所得日に行います。
清算の仕方は物件取得日からその年の12月31日までの税額を売主に不動産取得日に一括で支払います。これによって買主は物件購入年は役所に納税する必要がなくなります。(売主が1年分支払う)
この清算金はランニングコストですが、一括払いなので念のため初期費用として考えておいた方がいいでしょう。
⑦火災保険料・・オーナーのリスクヘッジとして加入をおススメします。
火災保険は購入した物件が火事になってしまった時の保険です。入らなくてもよいのですが、(金融機関によっては加入が融資条件の場合もあります。)リスクヘッジとして加入しておいた方が良いでしょう。
ワンルームであれば5年間の保険料で25,000円位です。木造の1棟アパートですと15万円位です。
⑧不動産ローン手数料・・融資の事務手数料
不動産ローンを借入する時にかかる事務手数料です。借入金融機関によって差が大きく、3万円のところもあれば融資金額の2%という金融機関もあります。
金利や融資期間等のシミュレーションを行って手数料も含めて考えた有利な条件の金融機関を選択しましょう。
場合によっては初期費用の負担が上がるのでよく検討すべき初期費用です。
⑨不動産投資ローン保証料・・保証会社の保証料です。保証料込みのローンもあります。
不動産投資ローンを保証する保証会社に支払う保証料です。初期費用として一括払いする場合は融資金の2%位が相場です。これを金利に上乗せして(0.2%程度)初期費用として支払わなくすることも出来ます。
こちらも不動産投資ローン手数料を合わせて金融機関によって異なりますので十分にシミュレーションし、検討して金融機関を選びましょう。
こちらも金融機関の選択次第では大きな初期費用になります。
⑩緊急修繕費・・買う前から故障していて直さず購入する場合
購入する投資物件にすぐに直さなければならない不具合があり、売主が直さない売却したいという意向があり、買主が納得済みで購入する場合にかかります。
不測に多額の修繕費がかからないように事前に見積もりを所得して初期費用は購入前に確定できた状態で物件を購入してください。
又、不具合を告げられずに購入してしまったら遠慮せず仲介会社や売主に相談しましょう。
⑪賃貸募集費用・・購入時空室の物件を購入する場合
不動産投資物件を購入する時点で空室の場合は賃借人を入居させる必要があります。これも購入時と時間差がほとんどなく発生しますので、初期費用として考えておいた方がいいです。
又この購入時に空室という点は物件価格の交渉にも利用できます。
不動産投資の初期費用は物件価格の8%~10%を想定しましょう。
物件価格によって割合は変わってきますが、概ね物件価格の8%~10%を初期費用として考えておくとよいでしょう。
一番需要なのは初期費用をきっちり算出して金額を把握してから不動産投資を始める事です。大体この位という感覚で始めてしまう投資の計画がくるいかねません。
11項目の内仲介手数料だけで3%ですので、やはり大きなウェイトを占めています。物件取得にかかった実際の経費を紹介した記事もありますので是非ご参照してみて下さい。
不動産投資のホントの経費!5年間でかかった実際の金額を教えます。