不動産投資を始める時、1棟のアパートやマンションで行うか?区分マンションで行うか?迷いどころかと思います。
それぞれのメリット・デメリットをみて自分に合った投資スタイルはどちらか判断してみて下さい。
1棟で不動産投資を始めるにはざっくり8000万円から1億円位の物件価格になります。この位の物件を想定している場合は、ワンルームマンションですと8戸~10戸位購入できます。
今回は1棟か区分一戸か?つまり1億円か1000万円か?というスケールの違う不動産投資を比較するのではなく、同じスケールで比較してみたいと思います。つまり
- 1億円の1棟マンション
- 1000万円のワンルーム10戸
両方1億円の投資を考えたときの比較です。
ワンルーム1戸など小額投資を考えている方は関連記事をご参照ください。「不動産投資のスタートに最適。区分マンションの魅力。」
1棟で不動産投資を行うメリットとは
1棟で始める不動産投資は良くも悪くも取得した瞬間に一気に複数のお部屋が手に入る事です。10室ある1棟マンションを購入すればいきなり10室のオーナーです。10室所得するまでの手間を考えればこの点はメリットと言えます。それを含め様なメリットがあげられます。
1棟の不動産投資は規模感と自由度の高さが魅力です。
- 複数の部屋を一気に取得できる
- 入ってくる収入金額も大きい
- 土地を一人で所有できる
- 建物の改装が自由に出来る
- 1棟の建物内のルールを自分で決められる
規模が大きいので投資金額も収入金額も大きい
優良な区分マンションを10戸購入するには10回の売買契約や物件探しをしなければなりません。これを一気に1回の契約で取得できるので、仕入れの手間が大幅に削減できます。
そしていきなり10戸という規模感で不動産オーナーになれます。
収益も1億円の投資見合う10戸分の収益が入ってきますので、その金額は大きなものになります。利回り5%で考えても500万円が毎月入ってきます。
全てが自分のモノなので改装もルール作りも思いのまま
1棟の場合はその建物と土地の全てが自分のモノになります。従って将来もし建物解体したら残った土地に好きな建物を建築できますし、駐車場にも出来ます。立地が良ければ自宅を建ててもいいでしょう。
区分マンションと異なって土地が全て自分の所有物で自由に出来るという事は資産価値も高くなります。(制限が無い為)この点は1棟不動産投資の大きなメリットです。
そして建物の運営も自分でルールを決めることが出来ます。既に住んでいる住民とは調整が必要ですが、購入してからは例えば「共用部が汚れるのでペット不可」とか「室内をきれいに使ってくれる女性限定マンション」などです。
自分好みに建物の外観を変える事も出来ますし、マンション名を変える事も出来ます。
不動産を所有し運営している実感は1棟マンションの方が得られると思います。
1棟の不動産投資にはリスクも多いです。
規模感の大きさによる大きな収入と自由度の高さの裏返しですが、区分マンションよりも1棟マンションの方がリスクが高いと言えます。
1棟の不動産投資は投資金額の大きさと管理責任を自分一人で負うリスクがあります。
- 共用部も含め土地・建物管理責任がある
- 高額な為、流動性が低い
- 大型投資の為、取得経費も大きい
- 不採算時の維持費用も高額
- 値下がり時の金額も大きい
- 賃料の値下げ、値上げをしにくい
土地・建物の維持管理責任がある為、手間がかかる
区分マンションであれば管理組合が発注した管理会社が建物全体を管理していますので、管理手間はかかりません。1棟ですと管理会社依頼する事も出来ますが、管理の発注者は自分一人なので見積もりの精査や管理状況のチェック、改善点の指示等は自分で行わなければなりません。
この点は自由度の高い1棟マンションの裏返しですが、区分マンションの手間ゼロに比べると大きな手間になります。
分割して売却出来ず、金額も大きいので買主の絶対数は少ない。
区分マンションと異なり1棟マンションは一部を売却する事は出来ません。従って金額も高額になります。金額が高額になると購入できる人の数は減りますので、流動性は下がります。
物件の大きさから取得経費も維持管理費用も高額になる。
物件価格が高額ですのでその金額に料率を掛ける仲介手数料もそれなり金額、不動産取得税等の金額も高くなります。
これを一気に支払う為、手元資金が枯渇してしまうリスクがあります。
更に維持管理費用もそれなりに係る為、空室増えていった時の収支の悪化も大きいものになります。
エリアやマーケットを見誤って想定の収益が得られない時、この維持管理費用が高額である事は大きなリスクになります。
同じ建物内のお部屋なので臨機応変に賃料をかえて収益を上げずらい。
同じ建物内のお部屋なので戦略的に賃料をかえて賃貸募集をしずらいデメリットがあります。空室が増えてきた場合、賃料を下げてでも収益を得ようと考えた時、その募集賃料を見た既存の賃借人は自分も下げてほしいと言ってくるでしょう。
その為、賃料を戦略的に下げて空室を埋めたり、以前の募集時の賃料を知られていると調子の良いときに賃料を上げたりしずらい状況なります。
区分マンションで同規模の投資を行った場合はどうでしょうか?
1棟マンションではなく、区分マンションを10戸という不動産投資スタイルをとった場合はメリット、デメリットはどうなるでしょうか?投資規模は1億円で同じとします。
1戸づつ売買できる区分マンションのメリットは?
同じ10室の区分マンションと1棟マンションで考えてみますと、最も大きな違いは区分マンションは個別に売買できる点です。
この点によって先ほど記載したメリットとデメリットがひっくり返ります。
1棟マンションのデメリットであった点は、
- 共用部も含め土地・建物管理責任がある➡管理会社が行うので手間はかからない。
- 高額な為、流動性が低い➡小規模で流動性が高い
- 大型投資の為、取得経費も大きい➡取得経費も少額
- 不採算時の維持費用も高額➡維持費用も安価
- 値下がり時の金額も大きい➡値下がり幅小さい
- 賃料の値下げ、値上げをしにくい➡場所が違うので賃料変更可能
1棟マンションのメリットであった点は、
- 複数の部屋を一気に取得できる➡10部屋分の所得作業がいる
- 入ってくる収入金額も大きい➡1戸当たりの収入は小
- 土地を一人で所有できる➡持分で土地を所有
- 建物の改装が自由に出来る➡自由に出来ない
- 1棟の建物内のルールを自分で決められる➡管理規約に従う
区分マンションは一気に買えない分、1棟に追いつくのに時間はかかるがリスク対応力は高い
区分マンションは記載の通り1戸、1戸買って積み上げていくので、同規模の投資になるまで時間がかかります。
同規模の投資になった時、リスクヘッジという意味では区分マンションは非常に高くなります。
ばらばらな場所に分散して部屋を保有し、個別に売買できるので、
- 不採算な部屋は個別に入れ替えることが出来る
- 資金が欲しいとき1戸だけ売却できる
- 地震等の災害も地域が違う為被害分散できる
- マーケットの読み間違いも1戸単位
自分の不動産投資スタイルで1棟か区分か決めて下さい。
個別に売却できるリスク対応の自由度が高く、手間のかからないものの積み上げるのに時間と手間がかかる区分マンションと一気に保有戸数を増やして大きな収益をいきなり上げられ、物件に対する改装などの自由度の高い1棟マンション。
それぞれ好みがあると思いますので、自分に合った不動産スタイルで投資対象物件を選んでください。