不動産売却!手元残るお金をシミュレーションする簡単な方法とは!

不動産売却でシミュレーションを行う最大の目的は「手元に残るお金がいくらなのか?」という事でしょう。いくら高く不動産を売却できても、税金や諸費用がたくさんかかってしまい、手残りのお金が少なくては意味がありません。

手残りのお金がいくらになるか?という点にフォーカスして不動産売却についてシミュレーションの方法を解説します。

不動産売却シミュレーションの第一歩は経費を売却にかかる経費を知る事!

不動産売却のシミュレーションの第一歩は不動産売却にかかる経費を知る事です。リストにすると下記の様な項目が不動産売却時にはかかります。

  • 不動産仲介料
  • 売買契約書に貼付する印紙代
  • 登記の為の司法書士手数料
  • 登記の為の登録免許税
  • 譲渡所得税
  • 引っ越し費用
  • 戸建ての場合測量費や建物解体費

シミュレーション①!10万円以下の不動産売却経費は?

不動産売却のシミュレーションをするにあたり比較的少額の10万円以下の経費を確認していきましょう。

印紙代・・1万円又は3万円

個人の不動産の場合売買金額はだいたい1億円を超えないと思います。不動産の売却価格が5000万円以下であれば印紙代は1万円、1億以下で3万円になります。ちなみに5億円以下の場合は6万円です。

司法書士手数料・・ゼロ円又は3万円程度

不動産売却の場合、登記については「担保権が付いている不動産」の場合と「不動産を購入した時の登記と名前か住所が異なる場合」にそれぞれ「担保権の抹消登記」・「登記名義人表示変更登記」が必要になります。私の経験上多くの場合担保権を抹消する登記のみ必要な事が多いので3万円。担保権すらない場合は司法書士に頼む登記もなくゼロ円です。
買主が所有権移転に伴って登記を自分名義にする費用は買主負担なので不動産を売却する側には経費はかかりません。

登録免許税・・ゼロ円又は2,000円程度

登記をするために国に収める税金です。司法書士手数料と同様登記が無ければ発生しません。「担保権の抹消登記」・「登記名義人表示変更登記」が必要なときのみかかり、その税額は「不動産の個数×1000円」です。
担保権抹消の場合、不動産は土地と建物で2つ登記がある事が多いので2000円、敷地権になったマンションでは登記は1つなので1000円で住んでしまいます。

シミュレーション②100万円クラスの不動産売却経費は?

売却する不動産の状況によっても異なりますがある程度の出費となる100万以下の経費について見てみましょう。この位の金額になると不動産売却シミュレーションに影響を与えますので事前にしっかり確認する事をおススメします。

引っ越し費用・・20万円~50万円

売却する不動産の中に荷物がどの程度あるかによって、引っ越し業者の用意する作業員数・トラックが変わってきますので、それによって金額も大きく異なります。50㎡クラスのマンションでご夫婦で暮らしているお部屋で20万円程度、広さにもよりますが、ファミリーで住んでいる戸建てで50万円程度かかります。

測量費(戸建ての場合)・・ゼロ円又は50万円~80万円

隣地や道路との境界が確定していないと、売却する不動産を正確に特定できていないので不動産売却前に確定しておく必要があります。(ごくまれにそのままの状態での取引もあります)道路と敷地の境界は行政と隣地との境界は隣人と測量会社に依頼して現地立ち合いをして境界を確定します。道路と敷地の境界確定は行政が絡むため費用が高くなる可能性が高いです。
分譲地などを購入している場合など境界が確定している場合で且つその資料が残っていればこれら費用はかかりません。

建物解体費(戸建ての場合)・・ゼロ円又は100万円~300万円

築年数も古くない戸建ての場合は建物自体も売り物として「中古住宅」として販売しますので建物を解体する必要が無いのでゼロ円です。しかし古い戸建ての売却を考えた時に、古くてもう住めない様な住宅でしたら解体して、土地をきれいに見せた方が汚い家があるよりも確かに売却しやすいのですが、先行して建物解体費を出したくない方が大半ですので、買った方に建物解体を委ねる「古屋付き土地」として販売します。
この場合も建物解体費は買主が負担するのでゼロ円です。しかし解体費分得するのではなくその解体費分売却金額は下がる傾向にありますので、まるまる得する事は出来ません。

測量費、建物解体費(マンションの場合)・・ゼロ円

マンションの場合は建物内の1部屋を売却するので、境界を測量する必要も建物を解体する必要もないので戸建ての様にこれら費用は掛かりません。

シミュレーション③最大の売却経費である不動産仲介料を知ろう

不動産売却シミュレーション上大きいのは仲介料です。不動産仲介料は売却を担当してくれる仲介会社に支払う成功報酬です。仲介会社は不動産を売却する為に広告、接客、書類作成を行います。この様な業務に伴う報酬になります。仲介会社はこの報酬によって社員に給与を払い会社を存続させています。お客様で多いのは仲介料を無しにして等の要望を受けますが、この様な要望は仲介会社にとっては非常に厳しい要求になります。
不動産仲介料は以下の式で計算されます。

仲介料=不動産価格×3%+6万円+消費税

その計算結果の早見表は下記になりますのでご参考にしてください。

物件価格仲介料
1,000万円396,000円
2,000万円726,001円
3,000万円1,056,002円
4,000万円1,386,003円
5,000万円1,716,004円
6,000万円2,046,006円
7,000万円2,376,007円
8,000万円2,706,008円
9,000万円3,036,009円
1億円3,366,010円
仲介手数料早見表

仲介料は不動産会社の買取に適した物件を売却する場合は節約できます!

仲介会社に依頼して広く買主を探す販売方法に適した不動産は「物件に手を入れなくても快適に住める比較的新しい物件」です。

買主が購入後に見た目をよくするために壁紙を直したり、キッチンの仕様が古く更新が必要な物件は仲介会社が探し来るエンドの買主は敬遠して中々成約に至りません。この見極めは非常に重要になります。参考になる記事がありますので是非参考にしてください。

先ずは買主目線で考える。不動産の最適な売却方法とは?

 

そのままでの売却が困難な場合は不動産業者による買取が最適な売却方法になります。この場合仲介会社が入らない為、上記表の様な40万円~340万円くらいの仲介料が不要になり、売主にメリットがあるだけでなく、買取会社が通常の仕入物件購入時に仲介会社に支払う仲介料も支払わなくて済むので、その分買取価格への上乗せが可能です。

不動産仲介料・・ゼロ円又は40万円~340万円程度

築年数が古い等売却しにくい物件は是非買取を検討してみて下さい。

買取?仲介?不動産の売却査定は物件と自分の状況で判断!

 

シミュレーション④忘れがちな不動産売却益にかかる税金は?

不動産売却シミュレーションを行うに際して計算が難しく且つ売却時点では支払わなくていい譲渡所得に対する税金を忘れてしまいがちです。しかしながら税金からは逃れられないのできっちりシミュレーションしておく必要があります。

譲渡所得税は軽減措置を知っておけば考える手間が省ける

不動産売却によって利益が出た場合にかかる譲渡所得税。売却損が出た場合は支払う必要はありません。そしてマイホームなど居住用の不動産を売却した際は様々な軽減措置がるのでこちらを先に知っておけば、この譲渡所得税をあまり気にしなくても不動産売却が進められるかもしれません。

譲渡所得税の計算方法は

「課税譲渡所得金額=譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除」

であり、今まで解説してきた項目は「譲渡費用」として譲渡益からは控除して計算をします。私が扱ったことのある不動産売却は多くの場合マイホームの売却であり、居住用資産として5年以上住んでいる不動産の売却という事になります。

この場合長期譲渡所得といいもともと税率が20.315%低めに設定されています。その上でマイホームなので重要な2つの特例があります。

  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例

つまり利益が3,000万円までであれば税金が全くかからず、更に6,000万円までの利益であれば軽減税率14.21%が適用されます。

マイホームの売却で6,000万円の利益が出た場合

6000万円の利益が出ていても、3000万円まで無税、残りの3000万円の利益に対して14.21%の税金がかかるので、6,000万円の利益に対して7.1%の実効税率で約420万円の譲渡所得税になります。420万円の金額は確かに大金ですが、必ず納めなければならない税金ですし、差し引きの手残りは5,600万円くらい残ります。6000万円の利益が出る事は非常にまれですが、それでも7.1%のという超低税率ですし、3000万円利益が出ても税金は発生しないので、この譲渡所得税はシミュレーション上あまり気にしなくてもいいかもしれません。

利益が3000万円を越えなければ税金がかからない点、税率が14.21%つまり3100万円の利益がでたら税金は14万円、3200万円の利益がでたら税金は28万円ということが分かっていれば、税金のシミュレーションにそれ程時間を取られずに済みます。

譲渡所得税・・ゼロ円又は14万円~420万円

更に詳細な説明は下記の記事に記載しましたので是非ご参照ください。

不動産を売却する前に!譲渡所得税について知っておこう

不動産売却の経費の概算値を知ってシミュレーションすれば手取り金額がわかる

不動産売却にかかる経費を説明し、概ねの計算方法や概算金額を記載しました。これらを利用して不動産売却のシミュレーションをして、売却活動前に手取りのお金はいくらになるか把握してから、売却活動をすると効率的です。

不動産売却の記事はコチラ

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