利回りとは?不動産投資を考えてインターネット等で物件を探していると「利回り 8%」等の表記を見かけると思います。
私たち投資家は「いくら投資して、いくら儲かるのか」が重要なので、
この不動産広告に記載された利回りとは、表面利回りの事で、支出の部分を全く考慮していないので、情報として全く足りていないのです。
表面利回り、不動産投資の広告に記載される利まわりとは?
不動産広告に載っている不動産投資の利回りとは「物件価格」と「年間収入」から算出される計算値です。
これは実際の利回りと区別されよく「表面利回り」等と呼ばれます。表面利回りの計算式は下記になります。
計算式を見てもわかりますが、表面利回りは不動産投資をする為に必要な支出を全く考慮していません。
従って支出も考慮した最も重要な実際の利回りは、この表面利回りよりも低くなります。表面利回りだけ見て良い物件という判断は情報が不足している段階なので避ける様にしてください。
表面利回りは全投資物件広告の統一表記なので、利用方法はあります。
表面利回りは実際の投資効率は表せていませんが、ほぼすべての不動産投資の広告に表面利回りは「利回り」として記載されています。
この表面利回りが、全ての物件広告に掲載されているという点で、統一基準(簡単な計算式)で算出された数字ではあります。
計算方法が簡単なので広告にはこの表面利回りが用いられます。(更に実際の利回りより高い数字なる事も理由の一つです)
不動産投資の良否を判断するその他の要素の存在を知っている方であれば、「表面利回り」を不動産投資物件の良否をある程度の目安に使うことは出来ます。
例えば不動産投資の広告に「利回り10%」と記載があれば、支出を考慮して実際の利回りは7%程度になりますが、支出を考慮してもある程度の利回りは確保できそうな事はわかるので、その不動産を検討したり、逆に「利回り3%」とあれば利回りが低すぎて検討の段階まで進まないので時間を節約できます。
不動産投資を検討し始めて、物件を探す時に、この「表面利回り」を利用してある程度スクリーニング(物件選別)して物件検討の時間を節約する事が出来ます。
逆にそれ以外の利用価値はありません。
つまり表面利回りには、この検討手間を省く程度の役割を受け持つことは出来ます。
実際の利回りとは!実際の利回りは正確に算出しましょう!
不動産投資を始めてマンションを保有するとそれだけで下記の項目の支出がかかります。
- マンションの敷地の固定資産税・都市計画税(年払い)
- マンションの建物の固定資産税・都市計画税(年払い)
- マンションの管理組合に支払う修繕積立金(月払い)
- マンションの全体の管理会社に支払う管理費(月払い)
- 戸別に管理を依頼している場合は管理費(マンション全体とは別、月払い)
私が保有しいるワンルームマンションを例にします。収入は月に6万円位です。そして支出額は概ねマンションの固定資産税・都市計画税の月割りで1,800円、管理費6,000円、修繕積立金2,000円の合計で9,800円毎月支出があります。戸別の管理は委託していません。
この様にワンルームでも年間で約12万円の支出がマンションを持っているだけでかかります。この支出を考慮した利回りが実際の利回りです。計算式は
上記例に出したマンションで購入額を800万円として計算しますと、
実際利回り=(6万×12ヶ月-12万)÷800万円=7.5%
と計算出来て、実際利回りと表面利回りには1.5%の差があります。
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「収支」
「キャッシュフロー」
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が直ぐに出来る。
簡単入力!不足項目も自動で仮計算します。
不動産投資シートの使い方解説ページをご参照ください。
なぜ実際の利回りが必要なのか?投資対象マンションの性格さえわかるもの!
なぜ不動産投資の判断をするときに、実際の利回りが必要か?支出を考慮しなければ投資の判断が出来ない為である事は言うまでもないのですが、それ以外にも支出を検証するメリットがあります。
支出を考慮した実際の利回りを知る事で或いは知ろうとすることでそのマンションの内容がよく分かってくるからです。
管理費や修繕積立金はそれぞれの各マンションで個別に決める事が出来ます。それはマンションの所有者で組織される管理組合の意思決定によって金額が決められていきます。
つまり支出項目こそ、そのマンションの性格をよく表しているという事です。
修繕積立金の金額に着目した場合、私のマンションは修繕積立金が月2,000円でしたが、中には月10,000円というところもあります。
すると支出が大きくなるので利回りは悪くなりますが、マンションの性格として「修繕を手厚くやっていこう」という意志は感じることが出来ます。
管理費をみると、私のマンションは月6,000円ですが、月10,000円というところもあります。
管理会社が管理手数料を高めに設定している場合もありますが、ここではそれは考えないとすると、マンションにエレベーターが2台ある場合と無い場合で、エレベーターの保守点検費は管理費から賄われるのでエレベーター2台のマンションの方が管理費は高くなります。
又この保守点検費はずっと必要なので後に安くなることもありません。
この様にマンション内に日々お金がかかる設備が無いかという点を管理費の金額は教えてくれます。
この修繕費や管理費の金額を決定する大きな要素としてマンションの総戸数があります。
総戸数が大きいマンションは数のメリットで修繕費や管理費が高くならない事が多いです。逆に戸数が8戸等の小規模マンションですと、8世帯で建物1棟の管理費や修繕費をねん出するので高くなりがちです。
支出項目(管理費や積立金)をチェックする事で実際の利回りはもちろん、
更に不動産投資に係る取得経費も考慮し、総投資額で考えれば完璧な検討が出来る!
不動産投資をする時には物件購入経費がかかります。こちらも投資する事への支出つまりイニシャルコストです。イニシャルコストで最も大きいものは「不動産購入代金」ですが、経費も決して軽視できません。先ほどの例で概算してみますと、
マンションが800万円、仲介料が24万円、登記や税金が26万円で総取得イニシャルコストは850万円になります。
不動産投資のホントの経費!5年間でかかった実際の金額を教えます。
実利回りは、不動産投資金の回収期間も表している
先の例では最終の投資効率をはかる利回りは、総不動産投資額が850万なので、
になります。この投資判断利回りをもって物件を選び、投資するか否かの判断をしましょう。
この利回りは投資回収の期間を表しています。回収期間は利回りによって下記になります。
- 利回り10% ⇒全投資回収期間 10年
- 利回り8% ⇒全投資回収期間 13年
- 利回り6% ⇒全投資回収期間 17年
- 利回り4% ⇒全投資回収期間 25年
- 利回り2% ⇒全投資回収期間 50年
出来れば15年から20年位で投資回収したいところですね。
重要なのは
不動産投資は支出を考慮した実利回りで回収期間を考える
今回お話したことは不動産投資を始める時の基礎ですが、絶対に忘れてはいけない事なので是非実践して間違いない投資マンションを探してください。
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