不動産投資をする際に頭金はどの位必要なのでしょうか?頭金は自分の預金から支払う金銭ですから不動産投資を始めるか否かにも大きな影響を与えると思います。
頭金ゼロ円で不動産投資を始められれば入り口のハードルは下がりますが、その後の収支が最も厳しくなりますので、スタート時にきっちり確認をする必要があります。
今回は「小規模な金額で不動産投資をまずは初めてみよう」と考えている人の為にワンルームマンションを例にとって頭金について説明したいと思います。
必要資金(物件価格+諸経費)を「頭金」+「ローン」で支払います。
不動産投資を始める際の総必要資金は物件代金と諸経費を合計した金額です。
不動産投資を始める際に係る諸経費を表にまとめます。
項目 | 種別 | 備考 |
不動産取得税 | 税 | 物件取得後3か月程度で支払い |
登録免許税 | 税 | 登記する為の税 |
司法書士手数料 | 手数料 | 登記手数料 |
売買契約書印紙代 | 税 | |
融資手数料 | 手数料 | |
金銭消費貸借契約書印紙代 | 税 | |
不動産仲介手数料 | 手数料 |
1000万円程度のワンルームマンションですと、これらの諸経費の合計は概ね60万円位になります。
について資金を「頭金」と「ローン」でで準備する必要があります。
頭金の額で保有時の収支はどの程度変化があるでしょうか?
例えばセゾンの不動産投資ローンのページを見ると、資金使途は「投資用マンション購入(借換え含む)のための資金および購入に必要な諸費用(不動産登記費用、仲介手数料)」と記載があります。
金利はみずほの長期プライムレート(1.05%・2020/6/5時点)+1.95%ですので貸し出しの金利は3.0%になります。
ローン期間は25年で毎月の返済額をシミュレイションしてみます。
頭金 | 借入 | 月々の返済額 |
0円 | 1,060万円 | 50,300円 |
60万円 | 1,000万円 | 47,400円 |
160万円 | 900万円 | 42,700円 |
260万円 | 800万円 | 37,000円 |
360万円 | 700万円 | 33,200円 |
頭金を入れると月々の返済が楽になるのが分かります。よって投資に安定感が出てきます。
ローン返済+月々かかる保有経費が毎月必要です。
不動産投資をした場合は定期的にランニングコストがかかります。従ってローンの返済と以下の様なコストを支払っていかなければなりません。
項目 | 支払い | 備考 |
土地の固定資産税及都市計画税 | 年払い | 必ずかかる |
建物の固定資産税及都市計画税 | 年払い | 必ずかかる |
管理費 | 月払い | 必ずかかる |
修繕積立金 | 月払い | 必ずかかる |
火災保険料 | 長期前払い | 掛ける場合 |
管理費等の振込手数料 | 月払い | 利用銀行による |
1室の管理委託料 | 月払い | 個別に管理委託した場合 |
支払が年払いや長期前払いもありますが、月々に換算するとこれらコストの合計は毎月10,000円位です。
このコストを加味した毎月の支出は以下の様になります。
頭金 | 借入 | 月々のコスト (賃料と比較) |
0円 | 1,060万円 | 60,300円 |
60万円 | 1,000万円 | 57,400円 |
160万円 | 900万円 | 52,700円 |
260万円 | 800万円 | 47,000円 |
360万円 | 700万円 | 43,200円 |
この月々のコストを賃料が上回っていれば、月々の持ち出しが無くなります。逆に賃料が下回れば毎月自己資金から補てんしていかなければなりません。
月次でお金が回る表面利回りは?自己資金を入れると低い利回りでも月々赤字にならない。
月々のコストと賃料がバランスする物件の表面利回りは頭金によって下記の表の様に変化します。
頭金 | 借入 | 表面利回り |
0円 | 1,060万円 | 7.2% |
60万円 | 1,000万円 | 6.8% |
160万円 | 900万円 | 6.3% |
260万円 | 800万円 | 5.6% |
360万円 | 700万円 | 5.1% |
従って頭金を多く入れた方が表面利回りが低い物件でも月々が赤字になりません。よって物件を探すのも容易になります。
頭金を入れるデメリットは、投資のスタートのハードルが上がり、手元資金が少なくなること。
記載した様に頭金を入れると投資が安定し、月々赤字になりにくいメリットがあります。反面以下のデメリットがあります。
不動産投資を始めるハードルが上がる。
1000万円の不動産投資としては小規模の物件で投資を始めようとする際に360万円の頭金が必要となったらやる気がなくなってしまうと思います。
いきなり多額の自己資金はスタートする時のハードルを上げるので、ローン額と収支とのバランスを考えて自己資金の額を調節するのが良いと思います。
手元資金が少なくなる。
預金が500万円あったとして残金が140万になる事はインパクトが大きいし、そもそも360万円の預金をしていない人もいると思います。
手元資金が少なくなると、不動産投資以外の突発的な支出にも対応できなくなるリスクがあります。
無理をして頭金を多く入れる必要は全くないのです。
おススメプランは諸経費は頭金でまかない、物件はローンで購入。
諸経費については先ほどセゾンのHPをご紹介しましたが、そこまでローンを出してくれる金融機関は正直少ないです。
諸経費は自己資金つまり頭金でまかなって投資を行うのがいいと思います。
ここでは頭金=自己資金で解説しております。物件所得に必要な資金の内自己資金でまかなう部分を頭金と呼んでいます。
物件価格の内自己資金でまかなう部分と定義すれば「頭金ゼロ」で諸費用を自己資金でまかなうと表現する事になります。
不動産を資金ゼロなのに(今まで全く預金もしていない)のに行うのは危険だと感じています。反面、自己資金をなるべく少なく使えばレバレッジ交換で投資効率は上がります。*別記事をご参照ください。
不動産投資はレバレッジをかけて利回りを劇的に上げられる!
この両方をバランスさせるには、諸経費、例に示した1000万円のマンションでしたら60万円位は自己資金で、物件はフルローンで買うのが理想です。
この場合表にある様に月々のコストは57,400円です。賃料が60,000円取れれば月々も黒字になります。
この位の物件は1000万円出せば結構あります。
このプランがおすすめですので、銀行から頭金10%入れてくれと言われてもあきらめず条件の良い金融機関を粘り強く探しましょう。物件価格のフルローンを出してくれる金融機関はあります。